有線回線を契約せず、快適にネット生活を送るにはどうすればいいのか?
タイトル通りの話なのであるが、友人から相談を受けたので考えてみる。相談を持ちかけてきた友人は、いろいろな諸事情が有り、有線回線が引けないらしい。要するにフレッツ光・Au光などのインターネットが自宅に引けない。
この状態で現代を駆けていくのは結構厳しい物が有り、現在はSoftBank iPhone5s+WiMAX1を契約しているという。そして、どちらも二年縛りで契約しており、ほぼ同時期の契約だったため見直しの時期に来ているという。
これらの事情に加えて、引っ越しも検討しているらしい。時期は未定だが二年以内には(つまり、次のWiMAXの契約更新までには)引っ越しをすると思われる。
上記の事情を鑑みて、プランをどう変更すればいいのか?と言う相談を受けたので個人的な考えを書く。
ここでは、まず友人の家庭状況を仮定、また、求める条件は、
「youtubeの標準画質程度の動画(25分程度)を快適に視聴できる回線速度」とする。友人は、家族一名と同居している。
次にMVNOの形態について簡潔に述べる。その後、動画視聴に関して必要な通信帯域について考察する。また、別欄にて、一般的な通信業者が実施している、
・7GB/月制限
・1GB/3日制限
に関しても考察したい。
仮定:
・二年以内の引っ越し
・ネットは友人しか使わない
・WiMAX2に通信料制限が発生している状況である中、ある程度の通信料規制は仕方ない
・二年縛りはめんどくさいので、できるだけナシの方向で。または違約金が安いプランを
・MVNO契約を優先(キャリア契約は高い)
・youtubeなどをよく見る人である。
・自宅ではほぼWiMAX回線を使用(スマフォも)
=従ってスマフォ自体の通信量はあまり多くない
なお、以前友人はAuユーザーであったため
・Au用ガラケー
・Au Android
を所持していることは分かっている。Android端末はLGの2012年モデル当たりだから、おおよそSnapdragon400シリーズのDualコアではなかろうか?と予想。
MVNOに関して
最近は各キャリア(docomo・au・SoftBank)と直接契約するのではなく、
回線卸業者→各種通信業者→ユーザー
という風な契約形態が存在する。ここで言う回線卸業者がdocomoなどのいわゆる三大キャリアである。そして、各種通信業者とは、iijやmineo、ぷららモバイル、楽天モバイルなどの業者。ユーザーは文字通り我々エンドユーザーである。このように、一旦各種業者に小売された通信枠を販売する業者を総称してMVNOなどと言う。現在、このような卸業務を行っているのはdocomoとAuのみであり、それぞれ代表的なものとして
・docomo系
iij、ぷらら、DTI、楽天モバイル、DMM、bmobile
・Au系
UQモバイル、mineo
などがあげられる。ただし、ここに挙げた順は速度・回線品質とは関係ない。
MVNO業者から回線を購入(契約)するメリットとして
・違約金が無いプランが存在
・(結果的に)通信料が下がる
というメリットが有る。
しかし、MVNO業者は、各種キャリアから、「GB/s当たりいくら」というような卸価格で回線を買っており、それを各ユーザーに割り振っている。従って、契約母数が増加しても、元々の根幹回線が強化されないと速度が下がる。この辺りは、業者の運営方針による。特にユーザーの多い都心部、特に昼間は速度の低下が顕著であるという。
しかし、MVNO契約では、デメリット以上にメリットが大きいというのが個人的見解。
各種MVNO業者の特徴
docomo系
docomo系MVNOで、ソコソコ通信速度も担保されている業者としてまずあげられるのがiijである。今回、比較的通信量が多くなると想定されるので、iijで最も適しているプランは、
・iij ファミリーシェアプラン(SIMカード3枚まで発行可能 10GB/月まで利用可能 超過後200kbps)
2560*1.08=2764.8円/月
SIMカード3枚まで発行可能であるから、
1枚目…自分用スマフォ
2枚目…モバイルルータ(PC用)
3枚目…家族用スマフォ
で利用可能である。端末ごとに、高速通信枠のON,offが可能であるから、PC用のSIMのみ高速通信枠(10GB/月)を有効にし、他のSIMでは、低速通信のみにしておけば経済的である。
試用記事がこちらにある
「IIJmioのファミリーシェアプランを自宅の固定回線として使ってみた 」
http://www.karakaram.com/review-iijmio-family-share-plan
に上がっているので参考になるだろう。
その他docomo系MVNOは各種似たり依ったりのプランである。通信量無制限というプランもあるが、300kbps上限でも、事実上の速度が制限されていることが多く、あまりお勧めできないかもしれない。(例:ぷららモバイル)
Au系
Au系のMVNOは、UQモバイル/mineoの二社のみ。ちなみに、選ぶならUQモバイルのほうが高速であり、mineoのほうが、高速通信枠が多い。(UQモバイルの親会社はAuであり、回線調達能力に長けている。従って、安価に高速な回線が使用できる可能性が高い。)
Au系MVNOの通信速度自体は、docomoより優良と言われている。Au系MVNOでのデメリットとしてあげられるのは、まず、
・「LTE回線が入らないところでのパケット通信が不可能」という点である。通信可能範囲ではFOMAプラスエリアが最も広い。しかし、Auの通信エリアだけで考えれば、800MHz帯に対応している端末ならば、3Gとさほど範囲は変わらないことが、先日の調査で判明している。(詳しくは、当ブログ「マイネオ(Mineo)のサービスエリアに関して検討してみる」を参照)
次に、
・容量無制限プランが存在しない
というデメリットが存在する。Au系MVNOとして最速のUQモバイルは3GBプランまで、mineoは5GBまでのプランしか存在しない。また、1GB/3日などの制限も存在。
最終的な結論(プラン)
・まず、電話部分はガラケーに変更する。Au旧プラン(1500円/月程度?)
・スマフォは、iijファミリーシェアプランの契約を行う。SIM3枚運用
・PC用ネット端末は、USB-LTE端末であるL-02Cを購入(中古で2000〜4000円)
・自分用端末は、上限30000円程度で探す。型落ちのAQUOS PHONEとかでいいのでは。5万出すとXperiaの最新機種が…
・家族用端末は一万円程度で探す。どうせベビーユーザーではなかろうから。
・SoftBank版iPhone5sを売却する(二台)
通信制限が気になるとことであるが、10GB/月の通信量がどれくらいかというと、おおよその動画が一本100MBだとして、単純に動画100本分。30分動画を100本見れば3000分。つまり3000÷60=50時間。休日が8日/月存在したとして一日6時間分。個人的に、月に50時間動画視聴に割くのは厳しいという印象だがどうだろうか。動画見るなら寝たい。また、無線通信に、容量無制限を求めるほうが難しいという現状もある。容量無制限のプランは、結局ベストエフォート型のサービスで、結局大しして速度が出ないことにつながりかねない。従って、通信量制限が有っても、ある程度の品質が担保されている実績あるサービスを選ぶのも有りなんじゃないかなというのが総論。また、iijのファミリーシェアプランにしておけば、引っ越ししても特に解約する必要もない。契約が無駄にならないのもマル。通信速度がどこまで出るのかだけが心配だ…。
現状、友人は
・SoftBank iPhoneパケット契約*2
・WiMAX
を契約していると聞いているから、合計して1万〜1万5千円程度/月の出費と想定。iijへの変更で大分出費は下がると考えられる。
番外編 動画の安定視聴に必要と思われる通信速度
一般的に、3Mbps〜5Mbps必要と言われているが、実際どうなんだろうか。
動画一本100MB、25分動画と仮定すると、
100_1000=100000kb
100000/25=4000kb/min
40000/60=66.6=67kb/sec
要するに毎秒67kbの転送能力が必要。ここで、インターネット速度に使われているbpsはビット毎秒であり、先ほど考えたkb/secは、キロバイト毎秒。つまり1000バイト/秒。8ビット=1バイトだから、バイト→ビットの変換は8掛ければ良く、
67_8=530kbps。大体5Mbps。やっぱり通説は正しいのか…。しかし、実際に5Mbps安定して出るサービスは少ないというのが実感。無線通信はなかなか難しい。快適に視聴するには画質を下げるとか、家に固定回線を引くなどの対策が、必要では。